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オンラインカジノのプレイ動画配信でYouTuberが逮捕 今後考えられるシナリオは?

オンライン上でカジノのゲームをプレイし、勝てば実際に賞金を得ることができるオンラインカジノが近年何かと話題になっていますが、先日発表されたニュースによって、界隈に衝撃が走りました。ニュースの内容とは、オンラインカジノのプレイ動画を配信していたYouTuberが、逮捕されたというものです。

逮捕された理由と結果は?

逮捕容疑としては、昨年9月から今年4月にかけて、自宅で人気オンラインカジノサイトでの常習賭博を行っていた疑いです。こちらのYouTuberは、ゲームのプレイ動画を動画共有サイト上で配信する契約を同サイトの運営者と結んでいたと考えられ、この配信で得られる収益と運営者から受け取った報酬、合わせて約3000万円を手に入れていたということです。

9月27日までの時点で容疑者のYouTuberは、オンラインカジノでスロットゲームを繰り返しプレイしたとして賭博罪で略式起訴され、罰金50万円を即日納付したとのことです。

実はオンラインカジノ界隈でこういった動きが出るのは初めてではありません。2016年にも「スマートライブカジノ事件」として知られる事例にて、イギリスが拠点となるオンラインの会員制ライブカジノでプレイしていた3人が単純純賭博容疑で逮捕されました。このうち二人は略式起訴された後に罰金を支払いましたが、一人は、徹底抗戦の姿勢を崩さず、最終的に検察側はプレイヤーを不起訴処分となりました。

以後、オンラインカジノに強い追い風が

それ以後、警察庁・消費者庁によって「日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪です!」とする注意喚起や、2022年に誤って振り込まれた新型コロナ給付金4000万円あまりが全て使い込まれるという事件が発生した際に、その用途がオンラインカジノだったということもあり、オンラインカジノに対する風当たりが強くなりました。さらに、上記のYouTuberと時期をほぼ同じくして、オンラインカジノへの入金手段として知られる決済サービス「SumoPay」の経営者二人も逮捕されました。

一方、数多く存在する海外のオンラインカジノを比較・レビューするサイトは、以前からありましたが、上記動きを受けて急にものものしくなった界隈では、一変して、オンラインカジノに関する動画やサイトを閉じる動きも広まっています。

オンラインカジノの法的扱いをめぐる法改正のシナリオ

そもそもこれらの動きの根拠となっている賭博罪ですが、元々日本国内における賭博行為を取り締まることが想定されており、現在のような海外を拠点とするオフショアのオンラインカジノを日本からアクセスするという事態は想定されていません。

それゆえにオンラインカジノが法的に議論の余地のある状況となってしまっているのは疑いようもなく、やはり何らかの法的な対応が至急必要だと言えるのではないでしょうか?今後、もし新たな法制定がなされるとなると、考えられる主なシナリオは以下の二つでしょう。

①オフショアも含めたオンラインギャンブリングそのものを全て違法とすべく、法改正

上記の通り、警察庁や消費者庁では日本国内からオフショアのオンカジに接続してプレイすることが違法であるとの注意喚起を行っていますが、2016年の「スマートライブカジノ事件」で一人が不起訴処分になった件を見ると、やはり胴元が日本国外にあるカジノにオンラインで接続することの違法性に関しては、法的な根拠が弱いと思われます。

このシナリオはオンラインカジノのプレイヤーたちにとっては厳しい結果と言えますが、このオフショアへの対応についても明確にする必要性があると言えるでしょう。

②ライセンス制にし、国内で認可を受けたサイトのみ合法とする

現在のところ、日本国内で合法とされているギャンブルは、競馬や競輪を初めとするいくつかの特例(公営競技)のみですが、オンラインギャンブルが合法の国は、実は欧米を中心に結構な数があります。

その場合、オンラインカジノのサイトは国内に作られた審査機関で運営体制や安全性、情報保護などの関する審査を受けて認可を受けたサイトのみが合法、それ以外は一律違法サイトとするものです。

このシナリオになった場合は、かなり大きな変化がもたらされると言えるでしょう。一つはもちろん現在の公営ギャンブル以外にも、人々がより手軽にギャンブルにアクセスできるようになるという点も当然ながら、新たな税収入の源が得られることになります。海外ではオンラインギャンブルで得られた税収入は、教育の現場に使われるなど、有用な形で社会に還元されています。

このようにオンラインカジノをめぐっては、上記の通り2通りのシナリオが考えられると思いますが、あるいはこのままグレーゾーンのままの状況が続くことも可能性としてはないわけではありません。

欧米では、現在オンラインカジノを合法としていない国でも、全体的な流れを見れば合法(ライセンス制)とする方向に進んでいるようです。やはり全てを取り締まることの困難さや税収入の大きさなどが背景にあるのではないでしょうか。

社会的な感情と法律面の間で揺れつつある日本のギャンブルの状況ですが、IR法によるランドカジノの開業も控えている今、オンラインの方の法整備を行うにも良いタイミングかもしれません。

 

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