ここ最近、ブームが再燃している「ミリタリージャケット」。
高い機能性とそれに伴う無駄がなく、
それでいて存在感のあるデザインが素晴らしいアイテムだ。
しかし、普通の洋服以上にアイテムの特徴や違いを理解することが難しいという側面もある。
そこで今回は、様々な種類のあるミリタリージャケットの中でも
特に代表的で有名なモデルを7種類紹介していく。
また、今年のトレンドになるかもしれないミリタリージャケットも紹介しているので、
ぜひ最後まで読んでいただければと思う。
【ミリタリージャケット】代表的なモデル7種類とおすすめブランドを紹介
代表的なミリタリージャケット① MA-1
MA-1の歴史と特徴
1950年代頃にアメリカ空軍でで採用されたジャケットで、
正式名称は「ジャケット・フライヤーズ・男性用インターメディエートタイプMA-1」。
もともと、アメリカ空軍のパイロットには革製のジャンパー
(ボンバージャケットやボマージャケットと呼ばれるもの。)が採用されていた。
しかし、アメリカ軍の主力機がプロペラ機からジェット機に代わったことで
パイロットたちはより高度な飛行が求められるようになり、レザーよりも耐水性の高いものが求められるようになった。
また、従来のプロペラ機よりもスリムになったジェット機では、
レザージャケットはかさばり快適な運転を行うことが難しかった。
そこで、よりスマートで軽量なうえ保温性にも優れたナイロンが採用され、誕生したのが「MA-1」なのだ。
MA-1の代表的なブランド
アルファインダストリーズ(Alpha Industries)
「MA-1」といえば、やはり「アルファインダストリーズ (Alpha Industries)」だろう。
世界初のMA-1フライトジャケットが生まれて間もない1950年代から一貫してMA-1を作成しており、
世界で最もMA-1を流通しているブランドとして広く認知されている。
代表的なミリタリージャケット② M-65(フィールドジャケット)
M-65の歴史と特徴
アメリカ軍の戦闘服(野戦用ジャケット)で、
正式名称は「COAT, COLD WEATHER, FIELD」。
朝鮮戦争で使用されていた「M-51」の後継として誕生し、1965年に正式採用。
その後、2008年まで、およそ40年間もの間、アメリカ軍の現用モデルであり続けた。
「M-65」はその洗練されたデザインや機能性の高さなどからアメリカ軍のみならず
NATOなど周辺国の戦闘服にも多大な影響を与えており、フィールドジャケットのひとつの完成形といわれている。
M-65の代表的なブランド
アルファインダストリーズ(Alpha Industries)
「MA-1」に引き続きとなってしまったが、「アルファインダストリーズ (Alpha Industries)」は「M-65」も有名。
ナイロンコットンを使用し、アメリカ軍が使用していたM65ジャケットをかなり忠実に表現している。
ヒューストン(HOUSTON)
ヒューストン(HOUSTON)は日本のミリタリーブランドで、
日本で初めてフライトジャケットの販売をした老舗ブランドだ。
日本人向けに作られたサイジングが特徴で、
冬に活躍するダウン系やロングジャケット、春に活躍する薄手のショート丈ミリタリージャケットなど
様々なデザインのものが取り揃えられている。
代表的なミリタリージャケット③ M-51(モッズコート)
M-51の歴史と特徴
1950年代に採用された米国地上軍の極寒防寒衣料の51年型モデルのことを指し、
正式名称は「PARKA SHELL M-1951」。
主に、フィールドジャケットの上から羽織って使用するために開発された。
正式名称からもわかるように、もともと「モッズコート」という名前ではなかったのだが、
モッズたちに好まれたことで「モッズパーカー」や「フィッシュテールパーカー」と呼ばれるようになり、
いつの間にか「モッズコート」という名前が定着していたそうだ。
ちなみに、モッズコートには「M-51」と「M-65パーカー」の2種類があり、
「踊る大捜査線」で青島刑事が着用していたのは「M-51」、
「SEKAI NO OWARI」の深瀬さんが着用していたのは「M-65パーカー」をベースとしたものとなっている。
M-51の代表的なブランド
ヒューストン(HOUSTON)
「踊る大捜査線」の青島刑事が着用していたのが、ヒューストンの「5409M M-51 PARKA」。
10年以上にわたり売れ続けている定番商品で、12万枚というとてつもない販売枚数を誇っている。
フレッドペリー(FRED PERRY)
イギリスの伝統あるブランドの一つである「フレッドペリー」。
モッズカルチャーとのつながりが深いブランドでもあり、
ヨーロッパらしい上品な雰囲気がある。
また、「東海オンエア」のとしみつが着用しているのも
このフレッドペリーのモッズコートだ。
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代表的なミリタリージャケット④ B-3 (ムートンフライトジャケット)
B-3の歴史と特徴
1934年に開発されたフライトジャケットで、主に米陸軍航空隊の爆撃機搭乗員たちが着用していた。
爆撃機搭乗員に愛用されていたことから、「ボマージャケット」の代表格となっている。
特徴はなんといってもその圧倒的な「保温性」。
ヘビーゾーン(摂氏−30〜−10度の寒冷地)用として開発されたため、圧倒的な保温性を誇っている。
日本だとバイカーの方々が真冬に着ていることが多いイメージだが、
最近では韓国のアイドルが着用していて人気がでていたそうだ。
ちなみに、「B-3」には「タイプB-3」と「B-3タイプ」という2モデルが存在する。
「タイプB-3」が実際の爆撃機搭乗員が着用していたモデルで、
パッチポケットと馬革による補強が特徴。
「B-3タイプ」は民間向けのモデルで、
左右のスラッシュポケットが特徴となっている。
B-3の代表的なブランド
アヴィレックス(AVIREX)
1980年頃に新宿のホストを中心に爆発的な人気を誇ったのが、アヴィレックスの「B-3」。
上質なムートンが使用されており、一生物と呼ぶにふさわしいクオリティーの一着だ。
トイズマッコイ(TOYS McCOY)
1962年の映画『戦う翼』(The War Lover)で
スティーブ・マックイーンが着用したモデルの復刻版。
背面が戦争中期に大量生産された3分割パネルとなっているのが特徴。
代表的なミリタリージャケット⑤ G-1(レザーフライトジャケット)
G-1の歴史と特徴
正式に「G-1」という名前が付いたのは1950年に登場した「SPEC.55J14」以降だが、
1940年にはそのルーツとなる「M422」が誕生していた。
(現在ではそれらの海軍フライトジャケットを総称して「G-1」と呼ぶことが多い。)
1986年の映画『トップガン』でトム・クルーズが着用していたことでも有名。
「海軍の翼」を象徴するアイテムとして高い人気を誇っている。
水滴につ用意とされているゴートスキンや
ネックウォーマーとして使用できるムートンなどが
「G-1」の大きな特徴。
G-1の代表的なブランド
アヴィレックス(AVIREX)
『トップガン』でトム・クルーズが着用したモデルを
忠実に再現したモデル。
フィッティングは日本人の体形に合うようにデザインされているため、
多くの人に着用しやすい1着となっている。
バズリクソンズ(Buzz Rickson’s)
当時の「G-1」を忠実に再現したモデル。
パッチが付いていないシンプルで使いやすいデザインで、
本家同様ゴートスキンが使用されている。
代表的なミリタリージャケット⑥ モンスターパーカー
モンスターパーカーの歴史と特徴
正式名称は「US Armed Force PCU Level 7 MONSTER PARKA」。
PCU (Protective Combat Uniform)という
特殊部隊にのみ供給されるレイヤリングシステムで設計された戦闘服。
PCUにはレベル1~7までが存在し、正式名称の通り「モンスターパーカー」は一番上に重ねるアウターとなっている。
そのため、非常にゆったりとしたシルエットとなっており、
昨今のビックシルエットブームあいまって非常に人気の高いアウターとなっている。
モンスターパーカーの代表的なブランド
ワイルドシングス(WILD THINGS)
1981年に登山家のジョン・ボーチャードとマリー・ムニエによって設立されたアウトドアブランドで、
近年ではアメリカ陸軍や海兵隊への納入実績もある。
そんな本格的な「モンスターパーカー」をタウンユース用に再構築したモデル。
2022年のトレンドになる!?今年注目のミリタリージャケットの紹介
最後に、トレンドに敏感なおしゃれpeopleのあなたに、
ぜひ知っておいていただきたいミリタリージャケットを紹介したいと思う。
もしかしたら、今年の春以降はこのミリタリージャケットがトレンドの最先端になっているかもしれない…。
そんな大きな可能性を秘めた一着だ。
今年注目のミリタリージャケット 「CWU-36P」(通称MA-2)
そのミリタリージャケットの名前は「CWU-36P」。
通称「MA-2」とも呼ばれる。
「CWU」とはClothing Wear Unit」の略で、
アメリカの全軍で採用されている現行のフライトジャケットだ。
なぜこの「CWU-36P」が今年注目すべきミリタリージャケットなのか。
その理由はこれだ。
そう、今年の5月についに公開を迎える大ヒット映画『トップガン』の続編、
『トップガン マーヴェリック』の劇中でトム・クルーズが着用しているからだ。
1986年に公開され、当時無名だったトム・クルーズを世界的なスターへと押し上げた『トップガン』。
映画公開後には海軍への志望者が激増したという話まであるほどだ。
そんな超ヒット作の続編で今や世界有数のスーパースターである
トム・クルーズが着用しているとあれば、世の男が黙っているわけがない。
実際、すでにデッドストックを求めて動いている人たちもいるようだ。
『テレビ千鳥』で菅田将暉が着用していたことで、
スウェーデン軍の『M-59』の価格が数倍に跳ね上がったことは記憶に新しい。
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今回はそれが世界規模で起きる可能性があるのだ。
気になる方はぜひ、早めにチェックすることをおススメする。